『ホッキョククジラのボウ 200年のたび』(作・絵)アレックス・ボースマ(作)ニック・パイエンソン(訳)千葉茂樹

読書感想文向け

《小学生向け》 【私の評価】★★★★★(98点)

「ホッキョククジラ」って、みなさん、聞いたことありますでしょうか。

北極に暮らすクジラで、200年以上生きるらしいです。

今から200年前(1824年)の日本はと言うと、江戸時代後期です。

1825年が「異国船打払令」と言って、日本の沿岸に接近する外国船は見つけ次第に砲撃して追い返していた時代です。

そんな時代から今に至るまで、北極の海で暮らしているホッキョククジラ。

この絵本は、ホッキョククジラが暮らす、200年の間の海の変化を描いています。

温暖化が進む様子を書いてあるだけではありません。

また、環境保全や捕鯨禁止というような一本調子の主張をする内容でもありません。

200年の間に起きた海の様子を淡々と描いていくことで、どんなに遠く離れた場所であっても、(よきにしろ悪しきにしろ)人間の活動の影響があるということを、この本は語っています。

そして、今後も、どうなっていくのか、先行きのわからない海を、ホッキョククジラたちは泳ぎ続けていくのです。

想像すること。

その大切さを、この本は伝えてくれているように感じました。

タイトルとURLをコピーしました