はじめに
夏休みの宿題で、一番の強敵。
それは、ズバリ、読書感想文です。
子どもはやりたがらないし、親の私も、自分が子どもの頃を振り返ると、読書感想文を書くことは苦痛でした。
私は、子どもの頃から読書が大好きでした。
そんな私でも、読書感想文は苦手でした。
なぜ、世の中の子どもは、読書感想文に悩まされるのか。
大人になって、ようやくその答えがわかりました。
それは、読書感想文の書き方がわかっていなかったからだったのです。
読書感想文は、読んで字のごとく、読書した感想を書けばいいということはわかっています。
ですが、いざ書こうとすると、何をどう書き始めたらいいのかわからず、手が止まってしまいます。
そして、なんとか書き始めたはいいものの、気づいた時には、読書感想文の8割が、その本のあらすじを書いただけになってしまい、残り少しでちょっとした感想を書いて終わってしまうということがよくあります。
私も、その失敗をよくしました。
これは、単純に、読書感想文の書き方がわかっていないのです。
読書感想文について、学校では「本を選んで、読んで、思ったことを自由に書きましょう」ということくらいしか教えてくれません。
子どもは、感受性豊かです。
本を選び、読めば、子ども心に、思うことはたくさん出てきます。
問題は、それを、どのように書いていけばよいかということです。
紋切型のマニュアルのようになることを嫌って、学校では書き方まで教えてくれないのかもしれません。
ですが、どうすれば思っていることを表現できるかという、書き方のヒントくらいは、子どもには必要なのではないかと思います。
このブログでは、子どもが感じたことを、読書感想文としてまとめるにはどうすればよいかのヒントのようなものを、書くことができればと思います。
まずは本選びから
読書感想文を書く時に、まずはどの本を読めばよいか悩むことになります。
この本選びが、とても大切です。
なぜなら、本を選ぶ瞬間から、読書感想文は始まっているからです。
もっと具体的に言うと、読書感想文では、「なぜその本を選んだのか」「その本のどんなところに惹かれて読むことにしたのか」を最初に書く必要があるためです。
ですので、「何となく」で選ぶと、読書感想文を書くときに、なぜその本を選んだか考え、苦労することになります。
どんな本を選べばいいのか
いろいろ考えてしまうと、なかなか本が選べなくなってしまいます。
ですので、子どもが「読んでみたい」と思った本を選べばよいと思います。
その時に、一つだけ意識しておくことがあります。
それは、「なぜ読んでみたいと思ったか」です。
例えば、本の裏表紙に書いてあるあらすじを読んで、「面白そう」と思った部分を覚えておくように、子どもに言いましょう。
子どもが、「面白そう」と思ったことには、何かしら理由があります。
例えば、あらすじに、「わんちゃんが、ある日突然いなくなってしまい、家族みんなで探して見つけたところ、隣町のおじいさんの家で見つかった。いなくなった理由は実は……」と書いてあったとします。
その本に興味を持ったのは、自宅でもわんちゃんを飼っていて、その自分のわんちゃんも同じようにいなくなったらどうしようと、不安に思ったからということでいいのです。
加えて、どうしていなくなったのかの理由が知りたいと思ったからということも、理由として書けるかもしれません。
ポイントは、「自分が似たような体験・経験を持っている」とか、「ずっと知りたいと思っていた」とか、何かしらお子さんの日々の生活と関連するような本を選ぶことにあります。
そうすれば、その本に興味を持った理由が書きやすいだけではなく、その後に書いていく本を読んだ感想についても、お子さん自身の経験と関連づけて、本の世界とお子さんご自身の経験を行ったりきたりしながら、書いていくことができるのです。
読書感想文に向いている本とは?
子どもが面白そうと思った本を選ぶことが基本、と書きました。
ですが、一つだけ留意点があります。
読書感想文を書くには向いていない本も多くあるということです。
どんな本であっても、感想文は書けます。
ですが、読書感想文はある程度の分量の感想を書く必要がありますので、感想を多く感じることができる本である必要があります。
例えば、「ねこの先生のクラスが、遠足でお花畑にみんなで出かけて行って、楽しく遊んで帰ってきました」という本は、それはそれで読むことは楽しいですが、感想をどんなに頑張って書いたとしても、書ける量は限られてきます。
一方で、「ねこの先生のクラスには、みんなと馴染めないカピバラ君がいました。クラスのみんなで相談して、遠足でカピバラ君と一緒に楽しめる遊びを考えて、実行してみることにしましたが、カピバラ君は楽しめず、みんなもがっかりして離れていき、まわりの期待に応えられなかったカピバラ君は落ち込みます。翌日、クラスのみんなが登校すると、カピバラ君は勇気を出してみんなに言いました。一緒に遊べる別の遊びを考えてきたので、よかったら一緒に遊んでくれる? 昼休み、校庭からは、クラスのみんなの元気な声が聞こえてきます。その中のひときわ大きく楽しそうな声は、そう、カピバラ君でした」という物語だったとします。
これであれば、いろんな感想が書けそうです。
つまり、読書感想文に向いた本というのは、物語の中に、「自分だったらどうするだろうか」と考えさせてくれるような要素がある本が適しているのです。
読書感想文向けの具体的な本のご紹介
学校からの紹介やネットを見ますと、「課題図書」として、読書感想文向けの本が紹介されていますので、それらの本から選ぶというのも一つの手だと思います。
ですが、この「課題図書」というのが曲者です。
なぜなら、読書感想文に向きすぎているのです。
つまり、考えさせられることが多くて、難しくて、レベルが合わない場合は、子どもが読む気をなくしてしまうという、最も悲惨な結果になってしまうのです。
私自身の失敗談でもありますが、興味を持てない「課題図書」を読ませることは、避けた方がよいと思います。
子どもが興味を持ち、かつ、適度に考えさせてくれるような本。
それを、膨大な本の中から探し出すのは大変なことです。
そこで、このブログでは、「課題図書」ほど難しくはない本で、適度に考えさせてくれるような本をご紹介したいと思います。
読書感想文向け | 楽おやブログ (opus-enjoy.com)
読書感想文の書き方
最後に、読書感想文の書き方について、触れたいと思います。
書籍やネット上にも、いろいろ書き方を紹介するものがあります。
ですが、どれも結構難しくて、我が子がついてこれるか、心配になります。
なにも、読書感想文で、立派な賞を取ろうと思っているわけではありません。
このブログで読書感想文を取り上げたのは、苦になりがちな読書感想文の宿題について、親子で楽しみながら、楽々に書くことができないかと思ったからです。
詳しくは、別に記事を書きましたので、こちらをご覧ください。
読書感想文の書き方 | 楽おやブログ (opus-enjoy.com)
読書感想文が、苦しい宿題ではなく、親子での楽しい思い出となる一助となれれば、うれしいです。