親のお墓のお話(全5話中の第4話)

くらし

第4話 そのお墓、『無縁墓』になってしまうかも

前回のお話では、同じお墓には、6親等以内なら入れるということを書きました。

ですが、親類と一緒のお墓に入るのは嫌なので、自分のお墓を建てたいと思う場合もあります。

親のお墓に入らずに、長男、次男それぞれ、自分のお墓を建てる場合もあります。

ですが、その場合に絶対に考えておかないといけないことがあるようです。

それは、『無縁墓』になる可能性です。

例えば、四国で生まれ育った私が、関東で就職して親元を離れて生活し、結婚し、子供と一緒に関東で生活している場合を考えてみましょう。

四国にいる母親が亡くなり、父親は四国に墓を建て、両親二人とも四国のお墓に入った場合、私は年に1回、2回ほど、頑張って四国までお墓参りに行きます。

そして、私も歳をとり、あの世に旅立った場合、私は両親と同じ四国のお墓に入るでしょうか。

入った場合は、私が両親のためにしたように、私の子供も年に1回、2回ほど、私のために、頑張って四国までお墓参りに来てくれるかもしれません。

ですが、もしも私が、四国ではなく、自分が長く生活した関東にお墓を建てた場合はどうでしょうか。

私の子供も、私のお墓は近い方が助かると言って、建てるなら関東にしてほしいと言うかもしれません。

その場合、私は関東に自分のお墓を建て、私の子供は、私のお墓へ参りはしてくれると思います。

しかし、四国にある私の両親のお墓参りまで、私の子供はしてくれるでしょうか。

それは難しいと思います。

こうして、四国にある、私の親のお墓は、誰も参ることのない、『無縁墓』となってしまう可能性が出てきてしまいます。

つまり、お墓を新しく建てる以上、その後にも代々、そのお墓に家族が入ってくれなければ、『無縁墓』となってしまうのです。

既にお墓がある場合は、そこに親族みんな一緒に入った方が、こうした『無縁墓』になる可能性は少なくなります。

無縁墓となってしまう場合、対処方法がないわけではありません。

四国にある両親の墓を墓じまいして、共同の納骨堂に移したり、あるいは関東の自分の墓に両親の遺骨を移動させるなどの手段もあります。

しかし、その場合は費用が別途発生しますし、その費用は、(自分はこの世にはいないため)子供か孫などに負担させてしまうことになるケースもあるかもしれません。

ですので、お墓を新しく建てる場合には、その前に、後々のこともよく考えてみた上で、判断をした方がよさそうです。

タイトルとURLをコピーしました